運動をはじめようと思ったとき、筋トレなどの無酸素運動と、ランニングなどの有酸素運動の順番に悩んだことはありませんか? たかが順番だと軽視してしまいがちですが、運動効果はその順番に大きく影響されることが分かっています。

そこで今回は、目的に応じた有酸素運動と筋力トレーニングの順番についてレポートしていきます。

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筋トレと有酸素運動の順番について

筋力トレーニングと有酸素運動では、得られる効果がまったく違います。そして、トレーニングの順番によっては、せっかくの運動が無駄になってしまうことがありますので注意してください。

トレーニングの目的は?

まずはじめに、トレーニングの目的を明確にしておく必要があります。「筋肉をつけたい」「持久力を高めたい」「体脂肪を減らしたい」など、目的によって最適な順番が変わってくるためです。

これは、運動の種類によって筋肉内に生じるタンパク質の種類が変わることに関係しています。そして、トレーニングによって活性化する酵素(AMPキナーゼ)は「異なる能力を同時に高めることができない」ことが分かっています。

つまり、このスイッチはオンになる際に、「筋肉を大きくする」か「持久力を高める」かのどちらかに照準を合わせます。そしてスイッチは、瞬時には切り替えられません。運動のはじめに有酸素運動をするか筋力トレーニングをするかで、どちらにスイッチが入るかが決まります。

引用元:アレックス・ハッチンソン「良いトレーニング、無駄なトレーニング」P35より

このことからも、「筋肥大が目的なら筋トレを優先させる」「持久力を高めることが目的なら有酸素運動を優先させる」など、重視する方のトレーニングを先におこなうというアプローチが基本となります。

筋肉をつけたいなら筋トレを優先させる

筋肉をつけたい(筋肥大させたい)のであれば筋力トレーニングを優先させてください。筋トレ前に有酸素運動を実施してしまうと、「筋肉の成長が阻害される」「疲労によってトレーニングの質が低下する」などのデメリットが考えられます。

もちろん、有酸素運動が必要ないというわけではありません。持久力は、筋トレ時のセット間インターバルでの回復速度に大きな影響を与えますので、持久力があることによって筋トレの質が高まることは明らかです。

持久力を高めたいなら有酸素運動を優先させる

持久力を高めたいのであれば有酸素運動を優先させてください。筋肥大させたい場合と同様の理由になりますが、持久力を高めるためには「持久力を高めるスイッチを(先に)オンにする」必要があるためです。

しかし、有酸素運動ばかりに偏ったトレーニングメニューはおすすめできません。低強度の有酸素運動には筋肉量を増やす(または維持する)効果がありませんので、長時間の有酸素運動によって筋肉量を減らしてしまう恐れがあります。

体脂肪を減らしたいなら筋トレ後の有酸素運動

ダイエット(体脂肪を減らす)目的での運動であれば、筋トレ後の有酸素運動がおすすめです。これは、筋トレによって分泌が促されるアドレナリンと成長ホルモンには脂肪を分解する作用があるためです。

筋トレをすると、アドレナリンや成長ホルモンの作用によって脂肪が分解されて血液中に放出されます。血中脂肪酸濃度が高くなったタイミングで有酸素運動を行うことによって脂肪燃焼の効果が高くなります。

同じ時間の有酸素運動であっても、筋トレ後に行うことで「脂質代謝が20%ほど上がる」ことが確認されています。

体脂肪を減らしたいなら必ず筋トレを先にやること

繰り返しになりますが、体脂肪を減らしたい(痩せたい)のであれば、必ず「筋トレ→有酸素運動」の順番でなければいけません。有酸素運動を先にやってしまうと、筋トレの効果にまで悪影響を及ぼすことが確認されています。

これは、筋力トレーニング前に有酸素運動をおこなうと、遊離脂肪酸が増えることによって(筋トレによる)成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうためです。

この遊離脂肪酸は脳下垂体に作用し、成長ホルモンの分泌を抑えるという働きがあります。

引用元:石井直方「石井直方のトレーニングのヒント」P148より

成長ホルモンは、脂肪を分解する作用だけではなく、筋肉を成長させるためにも欠かすことのできないものです。せっかくの筋トレによる効果を無駄にしてしまわないためにも、「筋トレ→有酸素運動」という順番が重要となります。

ウォーミングアップのための有酸素運動

ここまで、「筋トレ前の有酸素運動が筋トレに悪影響を与える」と書いてきましたが、ウォーミングアップ程度の有酸素運動であれば問題になりませんので過度に心配する必要はありません。

筋トレ前の有酸素運動が悪い影響を及ぼすというのは、「遊離脂肪酸によって成長ホルモンの分泌が抑制される」ことと「疲労感や糖質の消費によってトレーニングの質が低下する恐れがある」ことにあります。

有酸素運動によって脂肪の分解がはじまる(血中の遊離脂肪酸が増える)のは15~20分後からになりますので、ウォーミングアップ目的の10分程度の有酸素運動であれば、筋力トレーニングにとってもプラスに働くのです。

有酸素運動を難しく考えないこと

筋トレ後の有酸素運動がダイエットに効果的であることは分かっていただけたかと思いますが、有酸素運動と聞くと「ジョギングしなければいけないのか…」などと考えて憂鬱になる人も少なくありませんよね?

有酸素運動を難しく考える必要はありません。

筋トレ後に掃除をしても立派な有酸素運動になりますし、近所のコンビニにいくことも立派な有酸素運動です。ジョギングやウォーキングのように分かりやすい有酸素運動である必要はありませんので気楽に考えてください。

【まとめ】くれぐれも順番を間違えないこと

異なる性質の運動を組み合わせる際は、実施する順番がとても重要です。どのような効果を得たいのか? を明確にして適切な順番での運動を心がけてください。