有酸素運動には、心臓の強化・全身の血流促進・筋中ミトコンドリア(エネルギー生産を行う細胞小器官)の成長促進など、様々な健康へのメリットが確認されています。また、脂肪燃焼効率の高い運動でもあることは広く知られています。

そこで今回は、有酸素運動の基礎知識と、心拍数やトークテストによる適切な運動強度についてレポートしていきます。

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有酸素運動の強度について

一言に有酸素運動といっても、その強度によって得られる効果は大きく違ってきます。そして、運動強度の指標として用いられるのが心拍数やトークテストなどです。

運動強度による効果の違い

運動は、その強度に対する身体の反応に応じて3つに分類することができます。

それが、運動に必要な酸素が供給し続けられる「有酸素ゾーン」、血液から酸素を得ることができない「無酸素ゾーン」、有酸素ゾーンと無酸素ゾーンの境界にある「閾値(シキイチ)ゾーン」の3つです。

これらの運動ゾーンによるエネルギーの使われ方というのは、有酸素ゾーンで等質と脂質によるエネルギーの割合が1:1であり、無酸素ゾーンではほぼ100%が糖質によって供給されることになります。

このことからも、ダイエットが目的であれば有酸素ゾーンでの運動が効果的です。

有酸素運動の心拍数とは?

効果的な有酸素運動(心肺機能の向上や体脂肪の燃焼)の目安には心拍数が用いられることが多く、有酸素ゾーンを維持するためにも「最大心拍数の79%以下での運動(50~60%程度の心拍数)」が勧められています。

[有酸素運動での目標心拍数の求め方]

  1. 簡易的な方法(ゼロトゥーピーク法):(220-年齢)×(0.5~0.6)
  2. 安静時心拍数を考慮した方法(カルボーネン法):(最高心拍数-安静時心拍数)×(0.5~0.6)+安静時心拍数

※最高心拍数=220-年齢

引用元:有賀誠司「体脂肪を減らす2ヶ月間集中プログラム」P25より

有酸素運動は、一定の心拍数まで上げながらも「呼吸の乱れない軽い運動であること」がポイントです。最大心拍数の50~60%というのは想像以上に軽い運動だと感じられるはずです。

心拍数の数値で管理するのは難しい?

しかし、最大心拍数というのが曲者です。簡易的に計算できる「220-年齢」という計算式はあるものの、その数値の有意性には疑問がもたれています。

正しい最大心拍数を知るためには「最大心拍数テスト」を受ける必要があり、トップレベルのアスリートでもない限りは「(心肺機能の向上により変化してしまうため)知る必要のないデータ」とすることも少なくありません。

それでも、心拍数が酸素摂取量と比例関係にあることは確かなことですので、効率的に脂肪を燃焼させたいのであれば心拍数を管理しながら有酸素運動を行うことは有意義なことであるとされています。

こうした測定器で心拍数を計り、最大酸素摂取量の五〇パーセントから六〇パーセントの負荷の運動を続けるようにすると、もっとも効率よく脂肪が使われることになるのです。

引用元:石井直方「一生太らない体のつくり方」P135より

心拍数の測定器(ハートレートモニター)は、有酸素運動を行う上で必ずしも必要な器具というわけではありませんが、有酸素運動の効率化を求めるのであれば無駄ではありません。

心拍数の調べ方

心拍数の調べ方はいたってシンプルです。手首や心臓に手を当てて、1分間の心拍数をカウントするだけです。1分間が面倒であれば多少精度は落ちますが「10秒間のカウント数×6」や「6秒間のカウント数×10」などでも導き出せます。

また、上記でも軽く触れましたが、市販されている心拍モニターを使用する方法もあります。しかし、気温や湿度、運動方法などの条件によって誤差が大きくなるというデメリットがありますので、最終的には「自分の感覚」を基準にすることが一般的です。

トークテストで運動強度を知る

簡易的に運動強度を確認できる方法として「トークテスト」というものが広く用いられています。トークテストとは、運動中に「どれくらいしゃべれるか?」を運動強度の判断材料とするものです。

たとえば、有酸素ゾーンであれば「普通の会話ができる」、閾値ゾーンであれば「二言、三言ならしゃべれる」、無酸素ゾーンであれば「声を発するのがやっと」といった具合です。

人間の感覚というのは非常に優れていて、慣れてくるとトークテストでの感覚と心拍数での数値に大きな開きがみられないことが確認されています。

しかし、自己顕示欲の強い人(自信家の人)の場合、感覚と実際の運動強度に開きがでることが分かっていますので、思い当たるのであれば注意してください。

【まとめ】有酸素運動と運動強度

運動というのは、同じ運動であっても強度によって効果が大きく変わってきます。

体脂肪を減らしたいのであれば有酸素ゾーンをキープすることが大切ですし、持久力的な競技のパフォーマンス向上を望むのであれば有酸素ゾーンから無酸素ゾーンまでをバランス良く使用する必要があります。