ダイエットを成功させるためには、綿密に調べられたダイエット計画が必要です。計画を立てないまま実行に移したとしても、ダイエットを成功させることは困難となります。
では、ダイエット計画とは、どのように立てていけばよいのでしょうか?
スポンサーリンク
ダイエット計画とは?
ダイエット計画には、3つの計画が必要です。
- ダイエットの軸となる、主計画。
- 主計画に必要な環境を整える、リソース計画。
- 具体的な行動プランである、実行計画。
一般的に、主計画と実行計画が重要視されてはいますが、リソース計画ができていないために「ダイエットを挫折してしまうケース」は意外と多いものです。
【主計画】ダイエットの軸となる計画
ダイエットの主計画とは、目標を達成するために「いつまでに」「どのような方法で」という具体的な目標を立てることです。
- 具体的な目標
- 期間の設定
- ダイエットのためにやるべきこと
ここでポイントとなるのが、
「実現可能であるか?」ということです。
雑誌やテレビなどのダイエット情報を鵜呑みにしてしまうと、「1週間でマイナス5キロ」「運動をしなくても健康的に痩せられる」などのような、明らかに間違っている情報を掴まされてしまうことになります。
情報は、裏付けをとってこそ「有益な情報」となります。
【リソース計画】主計画を実現可能とするための計画
リソース計画とは、主計画を実行するために「必要となるもの」を準備するための計画です。どんなに素晴らしい主計画であったとしても、リソース計画が不十分だと計画に行き詰まってしまいます。
- 運動をする時間がない。
- 食事管理をしたいのだが、家族に反対されてしまう。
- トレーニングに必要な器具が足りない。
- ジムに通うためのお金がない。
ダイエットを始めたとしても、上記のようなトラブルが続発するのであれば、明らかに「リソース計画が不十分である」ということです。
ジムに通えないのであれば、自宅トレーニングでの計画を立てる必要がありますし、運動をする時間が確保できないのであれば、何かを削って運動時間を確保する必要があります。
これらの問題は、計画の段階で解決しておかなければいけません。
【実行計画】具体的な行動計画
実行計画は、主計画とリソース計画をもとに作成します。
主計画をもとに、リソース計画で確保できている資源(時間や生活環境)を照らし合わせて、実際の行動スケジュールに当てはめていくのが「実行計画」です。
実行計画は、実現性が高くなければいけません。
そのためには、5W1Hが明確になっている必要があります。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
この際、理想的なトレーニングや食事内容と、実際の自分の生活の流れを意識することがポイントです。理想と現実には、ギャップがあります。効率的な方法が、全ての人の生活スタイルに当てはめられるとは限りません。
計画を立てる前にやるべきこと
計画を立てる前には、「やらなければいけないこと」があります。
この項目を飛ばしてしまうと、「効果のないダイエット方法に手を出してしまうリスクが高くなる」「ダイエットの目的を見失ってしまうために、挫折の原因になる」などのデメリットがあります。
具体的になやるべきこととは、以下の項目です。
- ダイエット方法のアイディアを、出せるだけ出す。
- 分類(グループ分け)をして、特徴を見定める。
- 痩せる根拠の調査と裏付け。
- 「身体測定」で現状を把握する。
- 具体的な短期目標と長期目標を決めておく。
- できることと、できないことを明確にしておく。
かなり面倒な作業ではありますが、「調査と裏付け」をしないままダイエット計画を立てるのは、リスクが高すぎます。ダイエットをスムーズに進めるためにも、重要な作業となります。
どんなダイエット方法にチャレンジするのか?
まずは、「どんなダイエット方法を行うのか?」を決める必要があります。思いつくままに、興味のあるダイエット方法を書き出してみてください。
- 無酸素運動(筋力トレーニング)
- 有酸素運動(ジョギングやウォーキング)
- カロリー制限ダイエット
- 脂質制限ダイエット
- 糖質制限ダイエット
- 断食(ファスティング)ダイエット
ダイエット方法(アイディア)は、できるだけ多く集めるのがポイントです。多くのアイディアを出すことで、多様な可能性が見えてきます。
ダイエット方法を分類していく
次に、興味のあるダイエット方法を分類していきます。
アイディアをグループ分けしていくということです。
【運動ダイエット】
- 無酸素運動(筋力トレーニング)
- 有酸素運動(ジョギングやウォーキング)
【食事制限ダイエット】
- カロリー制限ダイエット
- 脂質制限ダイエット
- 糖質制限ダイエット
- 断食(ファスティング)ダイエット
分類方法に決まりはありませんが、まずは、「運動ダイエット」と「食事制限ダイエット」に分けてみました。分類することで、混沌としていたものに「何かしらの構造(特徴)」が見えてきたと思いませんか?
さらに分類していきます。
(※目的に応じた、順位もつけていきます)
【筋肉を維持する(または増やす)】
- 無酸素運動(筋力トレーニング)
【筋肉を減らしてしまう】
- 断食(ファスティング)ダイエット
- カロリー制限ダイエット
- 脂質制限ダイエット、糖質制限ダイエット
- 有酸素運動(ジョギングやウォーキング)
【即効性のあるダイエット】
- 断食(ファスティング)ダイエット
- カロリー制限ダイエット
- 脂質制限ダイエット
- 糖質制限ダイエット
- 有酸素運動(ジョギングやウォーキング)
- 無酸素運動(筋力トレーニング)
ここまで分類(グループ分け)していくと、それぞれの特徴が見えてきますよね? そして、ダイエットのためには「何をするべきなのか?」という問題も解決できるのではないでしょうか?
- 筋肉を維持(または増やす)ためには、筋トレしかない。
- 食事制限をしなければ、体重は減りにくい。
正しいダイエットとは、「筋肉を維持しながら、体脂肪だけを減らしていく」ことですので、筋力トレーニングを欠かすことはできません。
そして、目標体重とダイエット期間を考慮し、カロリー制限・脂質制限・糖質制限・(ファスティング)・有酸素運動を上手に組み合わせていくことがポイントになるかと思います。
ダイエット方法の根拠を確認していく
前項で行った「分類(グループ分け)」は、根拠を確認しながら実施する必要があります。「何となく痩せそう」「何となく健康に良さそう」などのイメージではなく、「具体的な根拠」が必要なのです。
しかし、身体に関する分野の研究は、「今日の常識が、明日には非常識になってしまう」ことも少なくありません。何を信じ、何を信じないか?は、個人の判断に委ねるしかありません。
たとえば、上記で「ファスティングは筋肉量を減らす」と書きましたが、筋トレの専門家とファスティングの専門家の間では、意見の相違があります。
極端な食事制限をすると、脂肪はなくならないのに、その内側にある筋肉がどんどん萎えていってしまうことにもなりかねないのです。
引用元:石井直方「トレーニングのヒント」P204より
このブログでは、「極端な食事制限をすると、筋肉量を減らしてしまう」と考えています。実際に、どんなに栄養管理に気をつけても、「減量中は筋肉量が減る」ことを経験しているためです。
しかし、極端な痩せ形を目指しているのであれば、結果は変わってくるのかもしれません。(※ファスティング関連の書籍では、BMI21が推奨されており、痩せ形こそが健康だとされている傾向にあります)
半日断食を始めて三ヶ月は筋肉も多少へった状態が続きます。しかし、それ以降は逆にふえて、元に戻ってくるのです。そこが断食の神秘的なところです。
引用元:甲田光雄「奇跡が起こる半日断食」P89より
このように、情報の裏付けをするためには「どの書籍(または論文)に目を通すか?」によって、結果が正反対になってしまう場合があります。
このブログでは、可能な限り栄養学や生理学に基づいた情報を記載していくことを心がけています。よって、現段階では「極端な食事制限は筋肉を減らす」ことを前提として、話を進めていきます。
現状の自分の姿を把握しておく
ダイエット計画を作成するためには、「今現在の体の状況」を正確に把握しておく必要があります。現状を把握しておかなければ、目標や計画を立てることができません。
- 体重
- 体脂肪率
- ウエストサイズ
- 腹部の皮下脂肪厚
- 全身と上半身の画像撮影
ダイエットのための記録というと、体重と体脂肪率ばかりが注目されがちです。しかし、筋肉を減らさずに体脂肪だけを減らす為には、体重と体脂肪率の記録だけでは不十分です。
体重だけをダイエットの判断基準としている方も少なくありませんが、体重が減らなくなったからといって「過度な食事制限」をしてしまうと、順調だったダイエットを自らの手で乱してしまうことにもなりかねません。
これはダイエット計画を立てる際にも重要で、
数値と見た目の両面から判断することがポイントになります。
最終的に、どのようになりたいのか?
筋トレ(ダイエット)は、作る(ボディメイクする)ことのできるエクササイズ方法です。ボリュームの欲しいところに筋肉をつけ、細い部分を強調するために皮下脂肪を落としていきます。
「男性であれば、厚い胸板や割れた腹筋など」「女性であれば、バストアップやヒップアップなど」、スタイルをデザインすることが可能なのです。
このことからも、「どのように体をデザインしていきたいのか?」を決めておく必要があります。ロールモデルとなる画像を見つけ、「最終的な完成イメージ」を明確にしておきましょう。
体重や体脂肪率は、目的のスタイルになるための「ひとつの目安」に過ぎません。数値に惑わされることなく、画像や皮下脂肪厚などを考慮して「総合的にゴールに近づけているのか?」が重要です。
できること、できないことを明確にしておく
どんなに正しいことであっても、人それぞれに「できることと、できないこと」があるはずです。体質や性格など、原因は様々ですが、はじめに「これはできる」「これだけはできない」ことを書き出しておきましょう。
- トレーニング時間を減らして、頻度を増やす?
- カロリー制限を甘くして、ダイエット期間を伸ばす?
例えば、1回のトレーニング時間を短くしたいのであれば、部位を分割して「頻度を増やす」必要がありますし、頻度を少なくしたいのであれば、「1回のトレーニング時間を伸ばして、全身のトレーニングメニューを実施する」必要があります。
同様に、カロリー制限を甘くしたいのであれば、「摂取カロリーを少しだけ減らして、ダイエット期間を伸ばす」必要がありますし、最短で痩せたいのであれば、「糖質制限とカロリー制限を組み合わせる」必要があります。
つらくないトレーニングや食事制限は存在しませんが、「つらさの種類を変えることはできる」ということです。
ダイエット計画を立てていく
実際に、筋トレダイエットを例としてダイエット計画を立てていきます。
- 主計画を立てていく。
- リソース計画を立てていく。
- 主計画とリソース計画をもとに、実行計画を立てる。
今回は、僕自身の「ダイエット計画」を記載していきます。目的や目標の違いによって「内容は大きく変わります」ので、あくまで一例としてご覧ください。
主計画で、「目標・期間・やるべきこと」を決める
これまでに調べてきた(調査してきた)内容から、「ダイエット方法(運動や食事管理方法)の特徴」や「どうすれば筋肉を減らさずに痩せられるのか?」などの問題は、おおよそ解決しているかと思います。
- 痩せる為には、エネルギー収支をマイナスにする。
- PFCバランスを整えた上で、カロリー制限をする。
- 筋肉を減らさないためには、筋トレをする。
- カロリー制限下では、筋肥大が起こらない。
- 身体測定の結果から、体脂肪を5kgほど減らす必要がある。
これらの情報をもとに、主計画を作成していきます。
- 目標
- 筋トレで筋肉を維持しつつ、食事制限で体脂肪を減らしていく。2ヶ月間でマイナス5kgを目標とする。(進行状況によっては3ヶ月間に延長)
- 概要
-
- 食事管理とサプメンテーション
- 自宅でのダンベルトレーニング
- ストレッチや筋膜リリース
- 食事管理の内容
-
- 目標体重kg×30kcalのカロリー制限
- 体重kg×1.5~2gのタンパク質
- サイクルダイエットやチートデイの実施
- トレーニングの内容
-
- 1部位につき、週2回のダンベルトレーニング
- ストレッチや筋膜リリースで心身の疲労低減
- 有酸素運動は最後の切り札として温存
主計画には、数値目標を設定しなければいけません。
リソース計画で、筋トレダイエットに必要な環境を整える
計画が上手くいかない原因は、
モノ・カネ・ノウハウなどのリソース(資源、資産)不足です。
筋トレダイエットで言えば、「ダンベルトレーニングでのウエイトが不足している」「肉を食べることが苦痛で、タンパク質が不足してしまっている」など、計画に必要なリソースが不足してると、計画が行き詰まってしまいます。
では実際に、リソース計画を確認していきます。
- ダンベルトレーニングに必要なモノ
-
- ダンベルセット
- フラットベンチ
- キッチンタイマー
- 食事管理に必要なモノ
-
- 調理道具と小分けケース
- キッチンスケール
- 各種サプリメント(プロテインなど)
- 筋トレダイエットに必要なノウハウ
-
- トレーニング関連の書籍など
- 栄養学、生理学の書籍など
また、家族がいる場合には「家族の説得(納得してもらう)」というのも、リソース計画に含まれます。
主計画とリソース計画をもとに、実行計画を立てる
主計画とリソース計画ができましたら、実行計画を作成していきます。実行計画は、5W1H、特に「いつ(When)」を意識して、スケジュールを明確にしていくことがポイントです。
理想のタイミングと実行可能なタイミングにはズレがあります。
例えば、ダイエットには「朝のトレーニングが効果的」だという理想があったとしても、自分のライフスタイルに照らし合わせると、「21時以降にしかトレーニングができない」場合もあるはずです。
実現性の高い計画を作ってください。
- 月曜日と木曜日の21時からトレーニングをする。
(2分割の場合は、日・月、水・木で行う) - 土曜日をチートデイとする。
(サイクルダイエットの場合は、チートデイなし) - 1食500kcal(タンパク質30g)を目標にする。
- 3食の他に、15時と22時にプロテインを飲む。
(※摂取カロリーがオーバーには気をつける)
ブログに掲載するために、簡易的な計画例となりましたが、おおよそ上記のようなイメージとなります。計画表を作成すると、視覚的に判断できるようになりますのでおすすめです。
【まとめ】ダイエット計画の立て方について
- 計画には、「主計画」「リソース計画」「実行計画」がある。
- 計画を立てる前に、ダイエット方法の裏付けと現状把握をする。
- 実際に、具体的な計画を立てていく。
ダイエットの計画を立てることは、「面倒くさい」と感じられるかもしれませんが、面倒くさいのは最初だけです。計画が明確になってさえいれば、後は実行するだけなのですから。
コメントを残す